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Sの系譜 第3の男
2008/05/28(水)
5月28日(水) ナゴヤドーム

● 中日 2 − 4 オリックス

「Sの系譜 第3の男」





齊藤信介が、1死満塁の大ピンチを度胸満点のピッチングで凌いだ。


さて、ドラゴンズには「Sの系譜」と呼ばれるものがあるのをみなさんはご存知だろうか?
Sとはサイドスローの頭文字の「S」。
ここ10年ほど、右ピッチャーの中継ぎサイドスロー投手はこの「Sの系譜」で結ばれているのだ。





今からさかのぼること10年前。一人のサイドスローピッチャーがドラゴンズに入団した。
男の名は正津英志。名前の頭文字に「S」のイニシャルを持つサイドスローピッチャーだった。
正津はルーキーイヤーの1年目から45試合に登板し、いきなり中継ぎとしての頭角を現す。
当時、ドラゴンズの中継ぎには落合英二、岩瀬、サムソンなど強力なリリーバーが名を連ねていた事もあり、
正津は勝ち試合の絶対的なリリーフという存在とまではいかなかったが、
中継ぎ投手陣全体の厚みをより強固にするための存在として、サイドスローの正津は重要な役割を担っていた。
その後、正津は4年連続で40試合以上に登板するなど、ドラゴンズのリリーフ陣の中に”右の中継ぎサイドスロー”という新たな地盤を着実に築いていった。
しかし、そんな正津を故障が襲う。積み重なった勤続疲労から2003年頃になると肘や腰を痛め、登板機会は激減。
2004年のオフにはトレードで西武へ移籍することになる。


正津が築いた”右の中継ぎサイドスロー”の地盤は、これにより崩壊したかと思われた。
だが、正津がドラゴンズを去った2005年。
正津に代わり「Sの系譜」を受け継ぐ継承者が入れ違いで現れることになる。





鈴木義広。独特の腕のしなりを持つ変則的なサイドスローピッチャーだ。
偶然なのか運命なのか・・男の名もまた頭文字に「S」のイニシャルが付いていた。
正津の意志を受け継ぐ新たな右の中継ぎサイドスロー投手。「変幻のS」鈴木義広の誕生である。
「変幻のS」鈴木は、かつて正津の築いた「Sの系譜」をそのまま継承するように、右の中継ぎサイドスローとして1年目から大車輪の活躍を見せた。
奇しくも、鈴木が入団した当時は岡本、平井などの勝ちパターンが既に確立しており、
リリーフの中で常に絶対的な役割を任されるというわけではなかったが、正津と全く同じように、貴重なサイドスローピッチャーとしてリリーフ陣の底上げに尽力した。




そして、時は2008年。事態が急変する。
2005年から今に至るまで「右の中継ぎサイドスロー」の正当継承者として奮闘してきた鈴木が、なんと骨折により戦線離脱してしまう。
正津の登場から10年来、受け継がれてきた「Sの系譜」にあろうことかぽっかり空白ができてしまったのだ。
これは今まで脈々と受け継がれてきた「Sの系譜」が欠如してしまう一大事である。
しかし、そんな緊急事態に一人の男が名乗りを上げた。







第3の男。「咆哮のS」齊藤信介。
男の名前にも「S」の頭文字。まさしく「Sの系譜」の正当継承者である。

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23:50 | 今日の中日| トラックバック:0 | コメント:0

二兎を狩る
2008/05/26(月)
5月26日(月) ナゴヤドーム

○ 中日 1 − 0 ソフトバンク

「二兎を狩る」





小笠原の牽制球は天下一品である。
牽制球というものは、素早い技術力ももちろんだが何よりも精神力が問われる。
塁上に走者を背負い、動作の制約がある中でも、平静を保ちながら走者をいかに騙せるかが問われてくるのだ。
小笠原はクイックの技術や、神経の図太さ、走者を欺くバリエーションの豊富さを総合すれば、
おそらく日本球界でもトップクラスの牽制の名手と言って良い。


牽制球における”成功”とは何もランナーを牽制球で刺す事だけではない。
走者のスタートをほんの一瞬遅らせる、或いは「下手にスタートを切れば刺される」というイメージを植え付けるだけでも充分な成功である。
実際に球場で小笠原の牽制を見ていると、「ランナーが行きたくても行けない」という状況を作り出す能力に非常に長けているのがわかる。
小笠原は”顔”でする牽制球と”足”でする牽制球のタイミングを巧みに使い分け、空間を支配しているのだ。
特に、顔を一塁側に向けた足上げ牽制の巧さは素晴らしいものがある。






一塁方向を見ながら足を上げるところまでは全く同じ。
その体勢からそのまま足を前に踏み出し牽制球を投げたり、突如クッと正面に顔を入れ投球したり、その逆パターンもある。
それに加え、ほとんど足を上げないクイックや、素早くプレートを外して牽制する技術も持ち合わせている。
足の上げ方だけでも5、6パターン。そこに顔をつかったフェイクも合わせるとコンビネーションは無数にある。
これほどのパターンを投球の際に毎回順不同で行ってくるのだから、
もうランナーからしてみれば、いつが走るチャンスなのかわからなくなる。
そして業を煮やしたランナーが見切り発車のようなスタートを切ってくれれば、思う壺だ。






僅差で一塁に俊足のランナーを背負ったとしてもなんら問題はない。
何事にも動じない精神力とそれを裏付ける技術力。
小笠原というピッチャーは二兎を同時に狩る。


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23:17 | 今日の中日| トラックバック:0 | コメント:3


2008/05/25(日)
「お知らせ」


お知らせです。
最近更新がめっきり減って、「どーなってんの?」という声を沢山頂いてます。
いやぁ、別にドラゴンズが情けないからとかではなくて、一応理由はあるんです。
それを今日はお知らせというか、説明します。


実は、まだ細かいことは決まってないので具体的には教えられませんが、「ドラブック」に続く新しい本の話がありまして、
今はその本の構想を練ったり、少し書いてみたり、色々しています。
で、今回の本の話は実現すれば、おそらく「ドラブック」を遥かに凌ぐ大きい規模の仕事になります。
製作に関わる人達もそりゃもう凄い人ばかりです。
そんな中で筆者として僕が出来ることは、唯一つ。一切の妥協なく全力でこの仕事に取り組むことしかありません。


物書きとしては僕はまだ素人同然ですが、意気込みと作品にかける情熱だけはプロフェッショナルでありたいと常に思っています。
「この本の仕事を一切の妥協や後悔なく最後まで全うしたい。」
そう思えば思うほど、限りある時間の中では他の部分に犠牲が生じます。その犠牲が理論派塾です。
もちろん僕は理論派塾の更新もプロフェッショナルとしての”仕事”の一つと捉えていますし、本の製作と両立出来ればベストです。
ただ、本の仕事には「この日までにここまで書いておいてください」という締め切りがあったりするので、
何があろうと期間中にイメージと文面を捻り出さなくてはいけない。という事があります。
しかもそれが一切の妥協の無いものでなければならない。そう考えると、理論派塾との完璧な両立は非常に困難です。
なので、「どーすっかなぁ・・?」ってのが現状です。



でも、ある日の試合で背番号48番の選手が、
与えられた状況の中で全力を尽くす事の素晴らしさを教えてくれたので、ちょっとだけ頑張ってみようと思います。

23:58 | お知らせ| トラックバック:0 | コメント:8

27.431mのメッセージ
2008/05/25(日)
5月25日(日) ナゴヤドーム

○ 中日 5 − 4 ソフトバンク

「27.431mのメッセージ」





8回ウラ4-4同点1死3塁。
井端が放った打球は、詰まり気味の浅いセンターフライだった。
生還すれば決勝点となる3塁ランナーは立浪の代走として送られている沢井。
いくら沢井の足が速いといっても、ここまで浅い外野フライではホームベース上での際どいタッチプレイは避けられない。
生還すれば大殊勲。しかし、アウトになれば一転ゲームの流れがすべてソフトバンクに傾くような状況。
行くか・・。止まるか・・。
井端の放ったセンターフライが空中に上がっているほんの一瞬の間にギリギリの選択を問われた末、
沢井は・・・走った。


しかし、よくよく考えてみれば、この場面で行くか止まるか迷う必要は全くない。
「何のために自分がここにいるのか?」を問いかけてみれば沢井の答えは最初から一つしかない。
沢井道久の存在意義。今、チームのために自分は何をするべきで何を求められているのか。
沢井にはタイロンのような豪快なホームランは打てないし、荒木・井端のような華麗な守備力があるわけでもなく、現段階ではレギュラーとしての実績も乏しい。
しかし、沢井には足がある。他の誰にも負けないチーム1の足がある。
ならば、その足をチームの勝利のために活かす時はいつだ?沢井道久が1軍に居るのは何のためだ?
答えは一つだ。この場面でランナーとしてホームに生還するためにいるのだ。





沢井は走った。
3塁ベースを後ろ足で蹴り上げるようにスタートし、歯を食いしばりながら一心不乱にホームベースへ向かって突進した。
”チーム最強の走者”として。ドラゴンズの決勝点のために。そして何より自分自身の存在証明のために。






・・・セーフ。
本当にギリギリのタイミングだった。
あと0コンマ1秒でも遅かったらアウトになっていたかもしれない。いや、もっと言えば沢井以外のランナーだったら間違いなくアウトだった。
そう。沢井の俊足が、他の誰にも開けられない”門”をこじ開け、チームを勝利に導いたのだ。
「自分は何のためにドラゴンズにいるのか?」
その存在証明を沢井は”塁間27.431mのメッセージ”で見せつけた。


今、チームの勝利のために自分は何をすべきなのか?
足でも良い。守備でも良い。バッティングでもスタミナでも闘志でも何でも良い。
それぞれの選手がもう一度、自分の存在する意義を見つめ直すことが出来たのならば、このチームはもっと強くなる。

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23:08 | 今日の中日| トラックバック:0 | コメント:2

奇跡なんかじゃない
2008/05/09(金)
5月9日(金) 東京ドーム

○ 中日 6 − 3 巨人

「奇跡なんかじゃない」




「もう二度と同じ打ち方は出来ない。」
これは先月29日、岐阜長良川球場で行われた横浜戦で、中村紀が今季第6号HRを放った時のコメントだ。
確かにあの時のホームランは、ノリ本人が思わずそう言ってしまうのも頷けるほど驚愕の一打だった。


あの時、横浜のピッチャー土肥に対し、カウント2-1と追い込まれた状況で、ノリは変化球に的を絞っていたという。
ただ、一口に変化球に絞るといっても相手は多彩な変化球を操ることで知られる土肥。
スライダー、カット、シュートに加え、チェンジアップも操る軟球派を相手に、球種を特定するのは至難の業だ。
おそらくあの時のノリは、球種は特に限定せず、変化球にタイミングを合わせた遅めの間合いでバットを合わせに行くというイメージで待ったのだと思う。
そして、ボールの軌道の下を軽く撫でるようにしてセンターから右方向に運べればベスト。そんなイメージだったに違いない。


しかし、実際にはイメージした描写と全く違うボールが来た。
インコースギリギリのストレートだ。
これは完全に裏を掛かれた形である。まったく準備していないボール。
しかもコースとしても右打者のまさに泣き所というストライク・ボールの合間という素晴らしいボール。
・・・打てるわけない。しかし次の瞬間。






放たれた打球は、長良川の夜空へ高々と上がり、遥か彼方へと消えていった・・。
まさに一瞬の出来事だった。
膝に当たるかどうかというほどのインコース低めの際どいコースを、ノリは身体全体でグルっと巻き込みホームランにしてしまったのだ。もうあり得ない。
百歩譲って、予めこのコースを待ってたのなら、ホームランになるのもなんとか理解は出来る。
だが、全く予想していないインコースの身体に当たりそうなボールを、とっさの反応だけでこれ程までに見事に巻き込めるものだろうか?
もう言葉にならない。凄すぎる。
あの一発は中村紀洋の持つ天性のバッティングセンスを改めて痛感するようなホームランだった。


「もう二度と同じ打ち方は出来ない。」

そりゃそうだろう。これが意図的に出来たとしたらシーズン70本は楽に打ててしまう。
あんな奇跡みたいなバッティング二度と出来ることでは・・・・









また やりやがった!!!!



いやはや驚いた。もう狙ってたとしても偶然でも何でも良い。今の中村ノリは凄すぎる。
よくもまぁこんなコースをポンポンスタンドに放り込むなぁ・・。と何か感慨を通り越してため息が出るような思いだ。
もう、打たれたピッチャーもこれを打たれるんなら悔しくないはずだ。
悔しがる必要なんて全くない。このコースに投げられるのならば、ピッチャーは充分に自分が出来得るベストを尽くしてる。
ただ中村紀洋というバットマンの存在は、”ベストを尽くしても抑えられない事がある”というレベルに達しているという事なのだろう。






このへんのインコースギリギリのコースをこうも簡単にポンポンスタンドに放り込まれたら、
それこそピッチャーのやる事は無くなってしまう。
中村紀洋という選手に対して偉大なバッターであるというリスペクトは以前から持っているつもりだが、ここ最近の活躍を見ると改めてその凄さを実感されられる。
これほどまでに超人的なバッターが自分の応援しているチームの中にいる事の幸せ、見ることが出来る幸せを今日は噛み締めよう。
ノリが味方で本当によかった。

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23:43 | 今日の中日| トラックバック:0 | コメント:6

払拭
2008/05/08(木)
5月8日(木) ナゴヤドーム

○ 中日 7 − 0 広島

「払拭」





払拭――
天下の大エースは、降りかかる雑音を己の右腕一本ですべて払拭した。
立ち向かってくる相手打者達をすべて無価値の存在にするほどの絶対的な力。
圧倒的な存在感。有無を言わせぬ圧巻のピッチング。もう誰にも文句は言わせない。
天下に轟く王権復活の大号令。王様の御帰りだ。






払拭――
英雄は、がんじがらめ鎖の中からついに抜け出し、その呪縛を払拭した。
ヒットが全く出なかった開幕から今日までの期間、あの立浪がブレていた・・・。
心技体のバランスがここまで崩壊した立浪を見たのはプロ入り21年目にして初めての事だった。


これまでの立浪は、たとえ不調に陥ったとしても何かしらの形で不調を補ってきた。
体調が悪い時には技術、或いは精神力で。精神が安定しない時は今まで培ってきた技術で”最善”を導き出す。それが立浪和義という選手だ。
こういった他に類を見ない心・技・体のトータルバランスの高さ、いわゆる修正能力こそが立浪和義を今日まで支えてきたのだ。
しかし、今シーズン。未だかつてない絶不調の波を前にそのバランスは崩壊した。
精神力・技術すべてがバラバラ。
かつて打席の中で感じた痛烈なほど「意志」は見る影もなかった。
狙い球は何なのか?この局面で何がしたいのか?成し遂げるためにどのようなアクションを取るべきなのか?
打席の中で結果を導き出すための最善を怠らないはずの男が、”結果”を求め、欲に塗れて彷徨い続けた・・。


その立浪についに・・・ついに一本が出た。
今まで悩んで苦んで焦っていた期間は何だったんだ?と感じるほど、打球は鮮やかにそして、いとも簡単にセンター前へと抜けていった。
打った球は、カウント1-2からの中速球。

「球筋を見極め、狙い球を絞りながら、カウントを整えて、勝負球を振りぬく。」
たったこれだけのことだったのだ。
今までもがき苦しみ、立浪の打席を死刑台に変えていた”ヒットの呪縛”とはこんな当たり前の事をこなすだけで払拭できることだったのだ。
当たり前のことを当たり前にやる。その難しさを今回改めて痛感したことだろう。
これで立浪自身も原点に返ることが出来たに違いない。


やるべきことは”結果を出すこと”ではない。
やるべきことの本質とは、結果を導き出すための最善の行動をとることにあるのだ。
そして、打っても打てなくても勝っても負けても「欲」は必ず出てくる。その時に「欲」を押さえつけない。
欲を結果ではなく、最善の行動を取ることに向ける。これが一番重要なのだと思う。


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たった1つの希望のために
2008/05/04(日)
5月4日(日) ナゴヤドーム

○ 中日 3x − 2 阪神

「たった1つの希望のために」





いつかはこんな日が来ると思ってました。
わかってた・・。でも、あまりにも突然のことなので、まだ戸惑っています。





今まで私はあなたの勇姿に何度も何度も勇気付けられました。
そして、あなたが豪快な空振り三振をすると、悲しくないのに何故か涙が出てきたりしました。
あの涙は悔しさではなく哀れみの涙だったのだと思います。
拭っても拭っても・・・溢れ出す涙は止めどなく延々と頬を伝いました。
それもそのはずです。あなたは三振しすぎです。
ただ、その中にこそ必ず光があるはずだと私は信じていました。
信じて信じて・・ひたすら信じて。
あなたが作り出す絶望的な真っ暗闇の中を、懸命に目を凝らしてひたすら光を追い求め続けました。
・・・・結局何も見えませんでした。




でも、あなたが中日ドラゴンズにもたらすものは”希望”だと信じる気持ちは今もなんら揺らいでません。
あなたは韓国球界を席巻したスーパースターです。
パッと見は、ダメでノロマな亀のようなあなたですが、それはあくまでも世を忍ぶ仮の姿。
きっと隠された甲羅の中には、誰もが目を見張るような”本当の姿”が隠されているに違いありません。
そうですよね?・・・ですよね?・・・ね!


99の絶望と1の希望。
あなたから1つの希望を見出すには99の絶望に堪えなければいけない。そんな気がします。
効率を考えればかなり損をしてるような気がしますが、それはわたしたちの器量の問題なのだと思います。
「たった1つの希望があるとひたすら信じて、目の前の99の絶望に立ち向かいなさい」
あなたは、そんな人生訓のようなものを身をもって私たちに教えてくれているような、そんな思いであなたを応援しています。



そして、今日。あなたはあの藤川球児からサヨナラホームランを打ちました。
来日以来、あなたがドラゴンズに初めてもたらしたサヨナラ勝利です。
これこそが今まで私たちが祈り続けた”たった1つの希望”の終着点だったのでしょうか?
「これがお前達が欲しがっていた、たった1つの希望だ。」とあなたが言うなら、
今まで体感してきた99の絶望とは全く釣り合いません。


あなたが今まで託されてきた分の希望は、雪だるま式に膨れ上がり、今や藤川を打ったぐらいではペイ出来ない状態になっています。
まだまだあなたの本当の力はこんなものではないはずです。
今までのすべてをチャラにするような、わたしたちがビョンギュさんに求め続けた希望は「これだったんだ!」と言えるような、
そんな時が来ることを信じています。


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何も失っちゃいない
2008/05/01(木)
5月1日(木) ナゴヤドーム

○ 中日 2 − 1 横浜

「何も失っちゃいない」





間違いだけは犯すまいと細心の注意を払った投球だった。
丁寧に・・・繊細に。自身が何よりも欲した一勝のために。


川上は苦心の末に導きだした最善策で、ノドから手が出るほど欲しかった一勝を手にした。
正直なところ今日のピッチングは「エース復活」の号砲をリーグ全土に轟かせるような内容ではなかったのかもしれない。
本来の川上憲伸が持つ躍動感や己の力を誇示するような威圧感には、まだまだほど遠い内容だった。
しかし、我々が心から待ち望んだ背番号11の大エースは、本来立つべき場所でやるべき仕事を全うした。やっと・・やっと仕事を果たした。
これは今まで当たり前のように行われてきたことだが、ここに至るまでの道のりを思えば今日という日が特別な意味を成す。


逆境でしか芽生えないもの、苦難の末にしか得られないものは、間違いなく存在する。
それを今日の試合で川上憲伸が手にすることが出来たのならば、
未勝利に終わった開幕から1ヶ月の期間はなんら無駄な時間ではない。
意志。実力。信頼。何も失っちゃいない。天下を取った大エースをナメるんじゃねぇ!
エース復権へのストーリーはここからだ。

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