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◆ 二兎を狩る 2008/05/26(月)
5月26日(月) ナゴヤドーム○ 中日 1 − 0 ソフトバンク 「二兎を狩る」 ![]() 小笠原の牽制球は天下一品である。 牽制球というものは、素早い技術力ももちろんだが何よりも精神力が問われる。 塁上に走者を背負い、動作の制約がある中でも、平静を保ちながら走者をいかに騙せるかが問われてくるのだ。 小笠原はクイックの技術や、神経の図太さ、走者を欺くバリエーションの豊富さを総合すれば、 おそらく日本球界でもトップクラスの牽制の名手と言って良い。 牽制球における”成功”とは何もランナーを牽制球で刺す事だけではない。 走者のスタートをほんの一瞬遅らせる、或いは「下手にスタートを切れば刺される」というイメージを植え付けるだけでも充分な成功である。 実際に球場で小笠原の牽制を見ていると、「ランナーが行きたくても行けない」という状況を作り出す能力に非常に長けているのがわかる。 小笠原は”顔”でする牽制球と”足”でする牽制球のタイミングを巧みに使い分け、空間を支配しているのだ。 特に、顔を一塁側に向けた足上げ牽制の巧さは素晴らしいものがある。 ![]() 一塁方向を見ながら足を上げるところまでは全く同じ。 その体勢からそのまま足を前に踏み出し牽制球を投げたり、突如クッと正面に顔を入れ投球したり、その逆パターンもある。 それに加え、ほとんど足を上げないクイックや、素早くプレートを外して牽制する技術も持ち合わせている。 足の上げ方だけでも5、6パターン。そこに顔をつかったフェイクも合わせるとコンビネーションは無数にある。 これほどのパターンを投球の際に毎回順不同で行ってくるのだから、 もうランナーからしてみれば、いつが走るチャンスなのかわからなくなる。 そして業を煮やしたランナーが見切り発車のようなスタートを切ってくれれば、思う壺だ。 ![]() 僅差で一塁に俊足のランナーを背負ったとしてもなんら問題はない。 何事にも動じない精神力とそれを裏付ける技術力。 小笠原というピッチャーは二兎を同時に狩る。 |
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