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◆ 勝負のオキテ 2009/06/30(火)
6月30日(火) ナゴヤドーム○ 中日 5 − 2 阪神 「勝負のオキテ」 ![]() 藤井淳志という打者は、チャンスの場面では”勝負弱い”部類に入る打者である。 今シーズン、スイッチヒッターに再転向した事で打撃の幅が大きく広がり、劇的な飛躍を遂げた藤井だが、 ここまでの66試合の中で「藤井の一打で勝った」と言える試合は驚くほど少ないことに気づく。 パッと思い出せるのでは、4月前半の神宮のポテンヒットの1回ぐらいだ。 クリンナップを打つ打者ではないとは言え、3割近い打率を誇っている打者が、これではさすがに少し寂しいものがある。 実際、得点圏の打率も.270台とあまり高くなく、こと満塁のケースに関しては昨日までで7打数1安打4三振と散々な結果である。 では、それはなぜか?考えられる要因は、すべてこの一つの言葉に集約される。 「経験値不足」 昨年までレギュラーはおろか、チャンスの代打機会ですら数えるほどしかなかった藤井は、単純にチャンスでの”打席の入り方”を知らなすぎるのだ。 さすがにこればっかりは、他人が身振り手振りでどうこう教えて身につくスキルではない。 勝負の場に身を置き、極限の状況で戦った者にしか会得することの出来ない唯一の能力「勝負強さ」だ。 稀に、先天的な勝負強さが予め備わっている人間がいるがそれは、よほどの天才か、あるいは鈍感な人間だけだ。 普通の人間ならば、誰だってチャンスでは重圧を感じる。この圧力から逃れることはもはや不可能である。 思考が思うように働かない・・・・。身体が固まる・・・。視界が狭まる・・・。 「実力」という名の精神的支柱が、ガリッ・・ガリッ・・と刃物で削ぎ落とされていくような圧迫感。 この問答無用に襲い掛かってくるプレッシャーの魔の手を払い除ける唯一の術は、「経験」だけである。 チャンスの場面での今までの藤井を見ているとこの「経験」の無さが顕著に表れていた。 持ち前の思い切りの良さは失われ、常に後手後手を指す状態。 自分で自分の首を絞めながら苦し紛れに放った一振りが虚しく空を切る。そんなシーンを何度も見てきた。 しかし、今日の藤井は違った。 いや、根本的に言うと変わってはいないのだが、ただ一つ言えるのは今日の藤井には「運」があったのだ。 ・チームは6連勝中 ・6回ウラ3点ビハインドと言う状況。 ・前の4回5回でチャンスを2度潰しているというチームの流れ。 ・制球を乱し始めた下柳が2ボール先行の後に訪れたカウント1-2というバッティングカウント。 はっきり言おう。 こんな状況で、次に来るボールをフルスイング出来ない打者がいるんなら、野球辞めた方が良い。 そう。言うなれば、今日、藤井に訪れた機会は千載一遇と言って良いほどのチャンスだったのだ。 経験も少なく、打者として裏付けされた技術にも乏しい藤井に巡ってきた超特大のサービスタイム。 藤井は最高の形で見事、期待に応えた。 今日の藤井のヒーローインタビューコメントを聞く限りは、おそらく狙い通り打ち切ったというバッティングではないように思えるが、 ただ、これは偶然ではない。 無我夢中で喰らいついた姿勢が、流れと合わさって「必然」を導き出したと言える。 さぁ、ドラゴンズの若くて意気の良いバッターに、また一つグランドスラムという「経験」が刻まれた。 まだまだ、これからもっともっとドラゴンズは強くなる。 あらためて聞こう。 「巨人を追いかけられるチームはどこだ?」 もう、見りゃわかるだろって! |
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