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◆ ダブルキーマン 2009/07/27(月)
「ダブルキーマン」後半戦のキーマンは誰か?と聞かれたら、二人の男の名が思い浮かぶ。 ![]() 一人は中田賢一。 後半戦は、中田の先発としての出来が優勝と直結すると言ってほぼ間違いない。 次期エースと嘱望され新生ドラゴンズの船出を託された男も、前半戦は不振を極め、ほぼ居ないに等しい存在だった。 エース争いから転がり落ちた中田賢一にとって、後半戦は過去の4年間で築き上げた物をすべてを失った男の決死の存在証明の場である。 先発でフル回転してとして与えられるチャンスは最大で10試合。 この10戦でどれだけの成果を挙げることが出来るかで、後の人生が大きく変わってくる。 仮にこの10戦で、QS(クオリティ・スタート)をすべてクリアし、7勝以上挙げるようなことがあれば、彼自身の存在意義は保たれ、来季以降の復権へ向けて大きなアピールになる。 それと同時に、ドラゴンズの逆転優勝も達成されているだろう。 中田賢一の右腕には「現在」と「未来」の二つの軸が同時に託されているのだ。 2007年、クライマックスシリーズで巨人を黙らせた熱投。そして日本シリーズの快投。 あの雄姿を誰も忘れてはいない。 ドラゴンズのナンバー「20」は、打倒・読売巨人軍を果たせる男にしか与えられない宿命の背番号だ。 2009年のドラゴンズの命運は、宿命を背負う男の存在証明にかかっている。 ![]() もう一人の男の名は、河原純一である。 ファン、首脳陣、もしからしたら本人でさえも、まさかここまで河原純一という投手が華々しく復活するとは思ってなかったかもしれない。 それほど河原の復活はビッグサプライズだった。 140キロに満たない球速。決して鋭いとは言えない変化球。この”材料”で何故ここまで抑えられるのか? 河原の投球には、何か身体能力以外のものが作用しているように思えてならない。 能力や技術以外の得体の知れない何か・・。それこそ執念の塊というべき付加価値が彼のボールには乗り移っている。 「これが、ディストピアから這い上がってきた男の投球術か・・・・」 河原の投球はそう感じることが多い。 一度野球人としての”死”を味わった男にしか出来ない緻密さというべきか、「手落ちが許されない」という事を誰よりも知っている投球である。 単純に考えてプロ野球のピッチャーという職業は、打たれれば死が近づく、抑えれば寿命が延びる。という摂理なのだが、 実際のところこの構造を真の意味で理解している選手は少ない。なぜなら、ほとんどのピッチャーは”死んだことがない”からだ。 誰もが感覚的には理解していても、ここで打たれたら野球人生が終わるなんて考えて投げているピッチャーは居ない。 だが、河原は違う。 まるで何かを悟っているかのような冷徹な立ち居振る舞いは、怖いほどに無機質で、それでいて溢れ出さんばかりの決意が満ちている。 そう、つまり人生の終わりを知る男のピッチングは「一球」「一球」が延命を賭けた決死の真剣勝負なのだ。 死の恐怖を知るからこそ、生きる価値を知る。 人生論にも通ずる河原の覚悟の一年は、必ずドラゴンズを栄光に導いてくれるはずだ。 |
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